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2011/02/11

演技の真髄=fm 箕川功貴=

 演技の真髄、それは手放すことによって受け取ることにある。しかし、君たちはひたすら抱え込み、握りしめている。演技を操作し、執着し、執念を燃やしている。何かを獲得し、達成し、所有しようとしている。これを「真空の恐怖」という(箕川功貴のドラマセラピー2/11記事参照)。

 あるとき、盲目の方に聞いたことがある。「ついつい私たちは、盲導犬を操作しようとしてしまうんですが、犬に全てを明け渡さないとうまくいかない。そうしないと、とんでもない方向に歩いていくことになる。たずなを握りしめるのではなく、手放すように持つことなんですね。そのコツをつかむまでがけっこう大変なんです」。これは、まさに人生そのものといえないか。自分の人生を操作し、握りしめ、何かを獲得しようとしている。しかし、これでは人生は拓けない。ここに人生の表と裏がある。

 芝居にも、そんな人生観が現れるとしたら、「迷う」という演技を迷っているようにしか演じられない=説明的演技=低レベルの失態をしてしまうのと同じこと。ここに、芝居の表と裏がある。とかく人生の裏側を歩んでしまう観客たちに、きちんと表を知った上で、裏を演じきれなくてはならない。その演技に、観客は自らの人生を映し出す。それは、人生の裏を手放すことによって、表を受け取る、あるいは、犠牲によって、真実を受け取る、まさに演技の真髄だ。そして、受け取るとは共感することであることを実感する。

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